母子家庭は手当がもらえてズルい。
母子家庭は優遇されすぎ。手当や養育費で遊んで暮らしてる。
なんて、ネット上には母子家庭に向けた非難の書き込みが多数あります。
離婚してシングルマザーになった上に周囲から嫌われるなんて辛いですよね…。
ですが、本当に書き込みの通りでしょうか?
実際に母子家庭になってみて分かったことや感じたことを書き出してみました。
この記事の目次
母子家庭はズルい?児童扶養手当が非難の原因に?
母子家庭って手当がもらえるんでしょ?
「離婚したら母子手当ってもらえるんでしょ?いいよねー」
確かに、ひとり親世帯になったら児童扶養手当をもらうことができます。
母子家庭にとっては大変ありがたいものです。
ですが、この手当をもらうには所得制限があります。
そのため、所得額によっては、一部受給(減額)となったり、そもそも受け取りの対象外となることもあります。
つまり、児童扶養手当は最低限の生活を保障するためのものであり、母子家庭全員が児童扶養手当をもらっているわけではありません!
父子家庭はもらえないのに…ズルい!
「母子家庭って優遇されてるよね。父子家庭は何ももらえないのに」
母子家庭だけ手当がもらえて「特別扱い」と思っている人は多いかもしれませんね。
ですが、実際は、父子家庭に対しても母子家庭と同じ条件で児童扶養手当が支給されます。
ただ、父子家庭の場合は、しっかりとした仕事に就いている人が多く、所得制限に引っかかることで、結果として恩恵を受けていない人は多いと思います。
そもそも、父子家庭の割合が少なく、母子家庭に比べて着目されていないことも勘違いを生んでいる原因かもしれません。
ですが、所得制限に該当しない限りは、父子家庭に対しても児童扶養手当は支給されます!
子供1人で4万円、3人なら12万円?

「子供の人数分もらえるんでしょ?3人てことは12万円?」
たしかに、児童扶養手当は子供の人数分受けとることができます。
ただ、支給額は、単純に「1人分の金額×子供の人数」ではありません。
たとえば、子供が2人いて所得制限にかからない場合…
1人目分としては、月額42,290円。
2人目分としては、月額9,980円となります。
子供が2人だからといって8万円もらえるわけではなく、2人目分としては所得に応じて加算額が決定されるのです。
表1は2人目、3人目以上の加算額。
表2は、所得制限に引っかからず全部支給となった場合の子供の人数別支給額です。
表1.2人目、3人目以上の場合の加算額(平成29年度)
児童の人数 | 月額支給額 |
児童1人の場合 | 42,280円から9,980円 |
児童2人の場合 | 9,980円から5,000円を加算 |
児童3人以上のとき | 5,980円から3,000円を加算 |
表2.全部支給の場合の子供人数別支給額
児童の人数 | 支給額 |
児童1人の場合 | 月額 42,290円 |
児童2人の場合 | 月額 52,280円 |
児童3人の場合 | 月額 58,270円 |
児童3人目以降、1人増えるごと | 月額 5,990円加算 |
母子手当について詳しくはこちら
実家暮らしで手当ももらえていい生活だよね
「実家に戻って家事は親任せ。手当ももらえるしいい生活だよね~」
離婚後に実家に戻って生活している場合、家事や子供のお世話など、親の協力を得ている人は多いと思います。
大変ありがたいことです。
とはいえ、一度自立して家を出た後に再び同居するのは、実の親とはいえなかなか難しいものがあります…。
離婚して「出戻り」、更には「子連れ」となれば、肩身の狭い思いをします。
できれば自立して生活したい…というのが本当のところではないでしょうか。
ちなみに、児童扶養手当の支給条件には所得制限があると話をしましたが、同居家族の所得金額も条件に含まれます。
そのため、実家の親が現役世代の場合は、所得制限に引っかかり手当支給の対象外となるケースが多いものです。
実家に戻ったからといって、周囲に思われているほどいいとこどりな生活ではありません。
実家暮らしでも世帯を分ければ手当がもらえるんでしょ?
「実家の親と同居していても、世帯を分ければ手当がもらえるんでしょ?」
そう思っている人もいるかもしれませんが…もらえません!!
世帯を分けたとしても、一緒に住んでいるのであれば同一世帯と見られて、同居家族の所得を条件として見られます。
昔はそういった手が使えたかもしれませんし、市町村によっては可能なのかもしれませんが、私が区役所に話を聞いた限りではダメでした。
手当もらうために建前別居してるんでしょ?
「手当をもらうために実家の近くにアパート借りて別居してる人もいるんでしょ。そこまでするなんて、なんだかズルいよね」
実家で親と同居すると、親の所得が制限にかかって児童扶養手当を受け取れない。
そうなった場合、実家の近くにアパートを借りて別居してることにしようか…と考える人は確かにいると思います。
ですが、手当ては満額もらっても、子供1人の場合約4万円です。
手当4万円をもらうためにアパートを借りたとしても家賃を考えると返って赤字に…。
どうしても実家に頼れない人にとっては、家賃補助があると考えると非常にありがたいものですが、実家に頼れるのにわざわざ別居して手当を受け取るという人は少ないのではないでしょうか。
母子家庭は幸せになってはいけないの?
母子家庭なのにいい生活してるよね
「母子家庭なのに普通の家庭よりいい暮らししてるのはおかしい。手当を自分のために使ってるんじゃない?」
シングルマザーがオシャレな服を着て、外でランチをしたり、イキイキと生活をしていると、「母子家庭のくせに」と思われることがあるようです。
ですが、母子家庭で無駄遣いをしている人は少ないのではないでしょうか。
オシャレはお金を使わなくてもできます。プチプラ服を上手に気回しているママもいます。
月1回の外食を楽しむために、毎日家で料理をして節約しているママもいます。
母子家庭だからこそ、不幸に見られたくない、子供のためにもきれいでハツラツとした母親でありたいという気持ちを強く持っているものです。
「母子家庭のくせに」と思われることはショックなものですが、前向きに捉えれば「不幸に見られていない」ということ?かもしれません(^^;
離婚後、こんな時どうしたらいいの?
まとめ
いかがでしたか?
母子家庭は周囲に思われているほど優遇されているわけではありません。
そもそも児童扶養手当とは、ひとり親世帯の最低限の生活を保障するためのものですので、本当に困窮している家庭に対して支払われるものなのです。
そのため、できることなら手当に頼らなくて良いほど自立した生活を目指している母子家庭の方が多いのではないでしょうか。
母子家庭になるとこうした誤解から非難されることもあるかもしれませんが、そんな声は気にせず、自分の目指す将来に向かってひた走りましょう(=゚ω゚)ノ
面会交流は拒否できる?
母子家庭と父子家庭は同じではない。父子家庭には特別の寡婦控除はない。
母子家庭の方が父子家庭より優遇されているのは明らかであると思う。
ただし、制度がある以上、不正をしている場合を除いて手当が貰えてずるいとは思わない。
aさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
確かに、特別の寡婦は母子家庭のみが対象ですね。
どうしてなんでしょう??
いつから始まった制度か分かりませんが、
もしかすると女性の社会進出がまだ進んでいない時で、女性の収入が低かったことから、
母子家庭への優遇措置がとられているのかもしれませんね。
ともあれ、aさんの「制度がある以上、不正をしている場合を除いて手当が貰えてずるいとは思わない」
という言葉に優しさを感じました。
ごく一部の不正者の行いで、母子家庭全体が疑いや侮蔑の目で見られてしまいがちな中、
中立的な意見はありがたく、お礼を述べたい気持ちです。
ありがとうございました。(*´Д`)
私の会社の後輩で母子家庭の子がいます。
2バツで子供2人。昼間国内生保で働き福利厚生を確保。夜は熟女キャバで働いてます。
そこまで聞くと偉い!と思うでしょ?
でも、夜の仕事は申告してないから〜と、申告したら所得がオーバーして手当貰えなくなるじゃん?って。50〜60万プラスの手当ズルくない?
加藤さん、コメントありがとうございます。
うーん・・・実際にそんな方がいるんですね。
普通は、会社が計上した人件費などの経理情報との差異から収入の申告漏れが発覚したりするものですが、
キャバクラは経営がグレーなところがあるので、ごまかしやすい環境が整っているのかもしれませんね。
こっそりしてくれるのであればまだしも、聞かされると良い気持ちはしませんよね…(-_-メ)
リアルな現状を教えていただきありがとうございました。