「俺は一円たりとも払わないからな!」
「お金がないから払えないんだよ…」
慰謝料を払ってもらいたいのに、払ってくれない。
または、払う約束を取りつけて安心していたら逃げられた…なんていうことも。
別れたら他人、所詮は離婚するに至った相手。
こうなってしまった場合、どういう手段があるのでしょうか?
相手を逃さず、きっちり慰謝料を支払ってもらう方法を探りましょう。
この記事の目次
離婚前:そもそも支払いを拒否される場合

一円も払いたくない!への対抗策は?
夫が最初から支払う意思がない場合には、裁判所で争うことになります。
まずは、離婚調停で話し合いを持ち、そこで合意しなければ離婚裁判に進みますが、裁判官に認めてもらえるような証拠が必要になります。
裁判は、自分自身で裁判所へ行って訴訟提起することもできますが、弁護士を代理人として書類作成から訴訟アドバイスまで行ってもらうこともできます。
お金がないから払えない…と言われたら?
「貯金がない、収入が少ない」などの場合には、財産分与としてもらいましょう。
車や土地、住宅、保険など、夫婦の共有財産を慰謝料として、自分に多く分配してもらう交渉ができます。
なお、その際は財産分与の方法や引き渡し時期などを記した公正証書を必ず作成するようにしましょう。
履行されない場合、公正証書をもとに財産の差押えをすることができます。
⇒財産分与で慰謝料をもらう方法
・家や車などの共有財産を放棄して、代わりに金銭で貰う
・家や車などの共有財産を売って、金銭で貰う
・家や車などの現物を慰謝料として貰う
離婚後:約束していたのに払ってくれない
口約束だけで公正証書がない場合
口約束や私的な合意書面による約束だけで、公正証書や調停調書がない場合は、民事裁判を起こす方法が考えられます。
勝訴判決を得ることができれば、その判決にもとづいて、強制執行ができるようになります。
とはいえ、相応の時間・費用・エネルギーが必要になりますので、これから離婚をする方は、必ず「支払い方法」や「支払期間」などを記した公正証書を作っておきましょう。
公正証書や調停調書を作成している場合
裁判所に、履行勧告⇒履行命令⇒強制執行の順に申し立てることになります。
●履行勧告
調停や裁判で決められた内容が守られないときには、家庭裁判所に履行勧告を申立てることができます。
申立てがあると裁判所は、相手方の義務の履行状況を調査して、履行を勧告してくれます。
強制執行力はありませんが、裁判所からの勧告ということで効果は絶大です。
申立ては、文書や窓口、電話等ですることができ、費用はかかりません。
●履行命令
履行勧告をしても支払いがされなかった場合は、裁判所による履行命令がくだされます。
命令に従わない場合、10万円以下の過料の支払が命じられる場合があります。
●強制執行
履行命令をしても相手が応じない場合、裁判所に申し立てると国が相手の財産を強制的に取り上げてくれます。
ただし、強制執行をするためには公正証書に「支払いが滞った場合は、強制執行を受けてもいいですよ」という言葉が書いてある必要があります。
なお、強制執行をするためには、相手の所在を把握していることが必要です。
また、裁判所はどの財産を取り上げるかまでは調べてくれないため、相手にどういった財産があるのか事前に自分で調べておく必要があります。
弁護士への依頼は必要か?
自力対処はハードルが高め
離婚前の話し合いで、相手が慰謝料の支払いを拒否している場合、そもそも離婚しないと言い出される可能性があります。
慰謝料と財産分与とのバランスを考える必要もあるため、ハードルは高めと言えます。
離婚が成立していて、慰謝料不払いへの対処のみの場合は、ステップが少ない分、正しい手順を知って行えば自力でもできるかもしれません。
ただし、必要な書類の準備や相手方の財産調査が難しかったりと、やはりハードルは高めです。
弁護士費用はどのくらいかかるの?
弁護士費用の相場は、一般的な離婚案件の場合には、
着手金30万円+報酬(慰謝料の10%)です。
例えば、300万円の慰謝料が請求できた場合の弁護士費用は、
着手金30万円+報酬30万円=合計60万円、
結果として手元に240万円残ります。
もし、相手方に財産がなく100万円しか慰謝料を回収できなかった場合は、
着手金30万円+報酬10万円=合計40万円、
手元に60万円残ることになります。
弁護士に依頼するかどうかの判断は、弁護士費用と回収できる慰謝料の金額を比較して考える必要もあると言えます。
まずは無料弁護士相談がおすすめ
まずは、無料相談ができる弁護士事務所に、費用や請求できそうな慰謝料金額について相談してみるのがおすすめです。
無料相談の中だけでも、不明点や不安点の解決ができる場合もあります。
実際に弁護士に依頼する際も、まずは無料相談を試して、自分の話をしっかり聞いてくれて、納得のいく方法を提案してくれる弁護士かどうかを確かめましょう。
離婚問題についての経験値が高い弁護士だと安心ですね。
まとめ
残念ながら、慰謝料や養育費を払わずに逃げてしまう男性は多いようです。
養育費の支払い率は約2割と言われており、他人事ではありません。
離婚する前にしっかりと約束を取り付け、公正証書に記録しておきましょう。
いざ不払いになった時の対応に雲泥の差が出ますよ!
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