「新しい家族にお金が必要だから、今後は養育費は払えない」
元夫が再婚するにあたり、このようなことを言ってきたとしたら…
これって、しょうがないことなのでしょうか?
再婚するのは勝手ですが、養育費の支払いに影響が出てしまうのは困りものですよね。
夫が再婚した場合の養育費の支払いについて確認してみましょう。
この記事の目次
元夫が再婚したら養育費はどうなる?
再婚したら養育費の支払い義務はなくなる?
再婚したとしても、父親に課せられた扶養義務がなくなることはありません。
養育費の支払い義務は存続します。
もしも再婚した家庭に新しく子供が産まれたとしても、子供にとって父親であることに変わりはなく、養育費の支払い義務は残ります。
養育費が減額される可能性はある
新しい家庭での生活費により養育費の支払いが困難になる場合は、父親は減額の請求をすることができます。
ただ、減額するには夫婦間での協議のうえ合意することが必要であり、父親側が一方的に決められるものではありません。
そのため、減額について不服があれば、断りましょう。
ただし、それでも父親が減額を望む場合は、家庭裁判所に調停や審判の申し立てをされる可能性があります。
養育費が減額されるのはどんな時?

父親の再婚のほかにも、養育費の減額が認められるケースがあります。
受け取る側からすれば養育費の減額は嬉しくない話ですが、だからこそ、備えておくことが大切です。
民法の中にこのような定めがあります。
民法第880条(扶養関係の変更または取消し)
扶養をすべき者若しくは扶養を受けるべき者の順序又は扶養の程度若しくは方法について協議又は審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その協議又は審判の変更又は取消をすることができる。
難しい条文の言葉に、眉間にしわを寄せてしまいそうですが…
つまりは、「事情の変更」が生じた場合は、養育費の減額が可能ということです。
●事情の変更の例
・養育費を支払う側がリストラにより失業した
・養育費を支払う側が病気や事故により長期入院している
・養育費を支払う側が再婚し、新たに子供が生まれた
・子供を引き取り育てる側が再婚し、再婚相手と子供が養子縁組した
長い人生の中で、どれも起こり得る事情ですよね(゚Д゚;)
未練ない元夫でも再婚されるとショック(゚Д゚;)⁉
もしも元夫が減額請求してきたら?
本当に減額が必要な状況か確認する
たとえば、「再婚して新しく子供が産まれたから」という理由で、養育費の減額の相談を受けたとします。
たしかに扶養人数が増えるため、支払いが苦しくなることは分かります。
ですが、本当に減額が必要なまでの状況なのでしょうか?
●給料は上がってないの?
離婚から再婚までに年数が経っている場合は、その間に収入も増えている可能性があります。
そうなると、減額するにしても、元夫が言うほど減額する必要はないかもしれません。
●新しい奥さんに収入はないの?
妊娠、出産等で仕事を休んでいて、一時的に収入が落ちているだけかもしれません。
仕事に復帰する予定があるのであれば、減額に応じる代わりに、奥さんが仕事復帰した折には、改めて養育費の見直しをしてもらえるように約束しておくのがよいでしょう。
養育費減額請求された場合の対処法はこちら
勝手に減額されてしまった場合は?
減額に同意していないのに、勝手に減額されてしまった場合はどうしたらよいのでしょうか?
●公正証書や調停調書がある場合
約束の金額に足りていない分を強制執行で差し押さえすることができます。
ただし、その場合は減額についての調停を申し立てられる可能性があります。
現在受け取ることができている金額と、調停になった時に決まるであろう金額を比べて、差し押さえをするか、今払ってもらえている金額で納得するべきかを検討してみましょう。
●公正証書や調停調書を作成していなかった場合
もらえる養育費の金額があまりにも減ってしまった場合、養育費請求の調停を申し立てるのも良いでしょう。
調停で決まったことについては、調停調書が作成されるため、今後さらに減額されたり、払われなくなってしまった時のお守りとなります。
ただし、「家庭裁判所」や「調停」と聞くと、相手が必要以上に警戒したり、反感を買ってしまう可能性もあるため、調停での話し合いへの持ち込み方には気をつけましょう。
「減額に応じることをきちんと書面に残しておきたいから」というような言い方も良いかもしれませんね。
どうしても抵抗がある場合は、公正証書を作成する方法もありますが、調停に比べると手間や費用がかかってしまうところが難点です…。
子供の教育費にはいくら必要?
未払い不払い養育費をきっちり請求‼
さいごに
再婚して、新しく子供が産まれる元夫にとって、養育費の支払いは大きな負担かもしれません。
が、子供を引き取り育てている母親にとって、養育費の減額は死活問題です。
むやみに抵抗するわけではありませんが、自分の生活状況と元夫の生活状況を比べて、冷静に検討することが必要でしょう。
※「養育費」に関する記事はこちらにまとめています。
コメントを残す