離婚調停の準備の第一歩【申立書の書き方】養育費や慰謝料の金額は?

「離婚調停をすることに決めた!」けど何からすればいいのか?初めてだと分からないことだらけですよね。

離婚調停をするには、まず裁判所に対して調停の申し立てをする必要があります。

その後、第一回調停期日までには、約1か月ほどかかるため、意思を固めたら早めに申立てをした方がよいでしょう。

早速ですが、今回は、離婚調停の申し立てに使用する「離婚調停申立書」の記入方法についてお届けします。

裁判所に提出する書類ということで構えてしまうかもしれませんが、記入する内容は多くはありませんし、裁判所ホームページには記載例もありますので、30分程度で記入することができると思います。

離婚調停「申立書」の書き方

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申立書の正式名称は「夫婦関係調整調停申立書」です。

全部で2枚、太枠内に必要事項を記入します。

記入箇所は、「本籍・氏名・住所等(申立人、相手方、未成年の子)」、「申立ての趣旨」、「申立ての理由」の3項目です。

なお、この申立書の写しは、後日相手方に送付されます

相手方のDVなどが原因で別居しており、現住所を知られたくない場合などは、記入内容に注意が必要です。

申立書と申立書の記入例は、下記で閲覧・印刷することができます。

全国共通の書式で、印刷して使用することができます。

夫婦関係調整調停申立書(PDF)

夫婦関係調整調停申立書の記入例(PDF)

↑裁判所ホームページより

1枚目 本籍・氏名・住所等

・「家庭裁判所の名称、日付、申立人の氏名」を記載して、押印します。印鑑は認め印で大丈夫です。

申立人=申立書を提出し調停を申し立てる人=自分です。

相手方=調停を申し立てられる人=配偶者です。

裁判所は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所、または、申立人と相手方が合意で定める家庭裁判所となります。

相手方の居住地の家庭裁判所は、下記で調べることができます。

裁判所の管轄区域 ←裁判所ホームページより

・「添付書類の欄」は、戸籍謄本にチェックを入れ、年金分割の申立てがあれば、年金分割のための情報通知書欄にもチェックを入れます。

もし他にもあれば、下の欄に記入します。

・「申立人、相手方、未成年の子の本籍、住所、氏名、生年月日、年齢」を記入します。

氏名と本籍地は、戸籍謄本にある通りに正確に記入します。

住所は、DV被害にあっているなどで、現住所を相手方に知られたくない場合は、別居前の住所や実家などの住所を記入するとよいでしょう。

ただ、これだと家庭裁判所からの書類が手元に届かなくなってしまうため、別途「連絡先等の届出書」に現住所を記入し、さらに「非開示希望の申出書」をホッチキスで止めて一緒に提出してください。

・「未成年の子」は、付随申立ての(1)~(3)を選択する場合のみ記入します。(1)親権者の指定(2)面会交流(3)養育費

2枚目上部 申立ての趣旨

・離婚することが目的なので、右側の「関係解消」欄に記入していきます。

・「1 申立人と相手方は離婚する。」の1に○を付けます。

・「(付随申立て)」は、(1)親権者(2)面会交流(3)養育費(4)財産分与(5)慰謝料(6)年金分割について、必要な項目の番号に○を付けます。

あとは、□にチェックを入れ、金額を記入します。

・「□金  円」は、いくらで書いても構いませんが、相手方からの合意が得られなければ、調停の中で決めることになります。

「□相当額」とは、調停において事情を考慮して決めるという意味です。

注意すべきなのは、相手方に支払ってもらいたい金額を相場より少なく書いてしまうと、そのまま相場より少ない額で決定してしまい損をする可能性もあるし、逆に高すぎる金額を書いてしまうと、相手方から不要な怒りを買ってしまったり、調停委員への心象も悪くなってしまうかもしれないということです。

金額を書くか、相当額とするかはよく吟味のうえチェックを入れましょう。

相場を知らなかったり、相手方の性格的にも話し合いながら決めた方が良さそうな場合は、「□相当額」にチェックを入れておくと良いと思います。

●項目別に見ていくと…

(1)親権者

未成年の子供がいる場合は、必ず親権者を決める必要があるため、番号に○を付け、「    については父(母)。」に希望内容を書きます。

たとえば、自分(母親)が親権を取りたい場合は、「 長男○○ については母。」のように記入します。

(2)面会交流

子供と親権を持っていない親の面会条件を決めたい場合は、番号に○を付け、「(□申立人/□相手方)」の決めたい側にチェックを入れます。

たとえば、子供が相手方と一緒に住んでおり、なかなか子供に会わせてもらえない(面会交流できない)場合には、「申立人」にチェックを入れます。

自分が子供と一緒に住んでおり、相手方と子供の面会条件を決めたい場合には、「相手方」にチェックを入れます。

(3)養育費

養育費の支払いについて決めたい場合は、番号に○を付け、「1人当たり毎月(□金    円 / □相当額)」に希望内容を書きます。

(4)財産分与

夫婦が婚姻中に協力して蓄えた財産(貯蓄・不動産・保険など)を分ける必要があれば、番号に○を付け「(□金    円 / □相当額)を」に希望内容を書きます。基本的には折半となります。

財産分与をする必要がない場合や、財産を相手方に渡さなければいけないような場合は、○を付けなくて良いです。

(5)慰謝料

相手方に離婚原因がある場合は、慰謝料の請求をすることができるため、番号に○を付け、「(□金    円 / □相当額)」に希望内容を書きます。

請求できるのは、相手方に不貞行為や暴力などがあった場合で、自分に責任があったり、夫婦ともに責任がある場合は請求できません。

(6)年金分割

将来相手方が受け取る年金の分割を希望する場合は、番号に○を付け、「(□0.5 □(     ))」に希望内容を書きます。0.5が最大の按分割合なので、0.5にチェックを入れておくとよいでしょう。

もし、自分が受け取る年金額の方が多い場合は、年金分割をすると、逆に相手方に支払わなければならなくなる可能性があるため、○を付けないでおきましょう。

2枚目下部 申立ての理由

・「同居を始めた日」と、別居している場合は「別居をした日」を記入します。

・「申立ての動機」は、該当するものにすべて○を付け、中でも最も重要というものには◎を付けます。

ここでの注意点は、正直に、正確に記入をすることです。

たとえば、相手方から暴力を受けているのに、相手方に申立書を見られて怒りを買うのが怖いからと、「3 暴力をふるう」を選ばずに、「1 性格があわない」などを選択していた場合、「暴力はなかった」というように捉えられてしまいます。

そうなると、離婚裁判になった時、「暴力を受けていました」とあなたが言っても、「でも、離婚調停申立書には暴力をふるうに○が付いていませんよ」と言われ、「程度が軽かった」と思われてしまう可能性があるため、気をつけましょう。

 

申立書は3通必要

離婚調停申立書は、「家庭裁判所に提出する原本「相手方に送付するための写し「自分用の写しの計3通の準備が必要になります。

自分用は必須ではありませんが、調停日までに日数があり、記入内容を忘れてしまうこともあるため、控えとして手元に置いておく方が良いでしょう。

なお、多くの家庭裁判所では、3枚複写式の離婚調停申立書が用意されており、記入した1枚目と複写された2枚目を提出し、3枚目を自分用にすることができます。

自分で写しを用意する場合は、2枚コピーを取れば大丈夫です。

まとめ

子供の親権獲得は母親の方が有利って本当?

離婚慰謝料はどんな時に請求できる?性格の不一致やセックスレスは?

1.離婚調停をしたい場合、「夫婦関係調整調停申立書」を記入し、裁判所に申し立てをしなければならない。申し立てる裁判所は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所。

2.申立ての趣旨に自分の希望を記入する際、養育費や慰謝料などの相手方からもらいたい金額は、低すぎず、高すぎない金額(つまり相場程度)を書いた方がよく、相場が分からない場合は、「□相当額」にチェックを入れておくとよい。

3.申立ての理由は、正直かつ正確に記入する。相手を気遣って本来の理由を避けたり、誤って違う項目を選択してしまうと、後々離婚裁判になった場合に不利になってしまうことがあるため注意が必要。

4.裁判所に提出する際、申立書は3通必要になる。原本は裁判所提出用、写し(コピー)の1部は相手方に送付する用、残り1部は自分の控え用となる。





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