今回は、私が昔付き合った、モラハラ・ストーカー彼氏の話をしたいと思います。
「男性との接触禁止」「門限21時」「土下座」「罵声」…など
私が味わった恐怖、誤った対応、良かった別れ方など、誰かのお役に立てればと思っています。
この記事の目次
彼のスペックと交際を始めるまでの経緯

当時32歳で、私より1歳年上。一人暮らし。
4人家族の長男で、母親が強く、父親は母親に頭が上がらない様子。実家は一軒家を建てているが、どちらかというと貧しい生活ぶりで、彼の給料は母親が管理していた。
仕事は、同じ会社の同僚で内勤職。仕事ができる!といった目立ったところはないが、話す内容や文章は理路整然としていて、人当たりもよく、頼りになる感じ。飲み会でのノリもよく、歌って踊って騒いでの盛り上げ役。
同じチームで仕事をするようになり、話す機会が増えて1か月くらいした頃、食事に誘われて2人で居酒屋へ行くことに。
仕事の話や恋愛話などで盛り上がり、好みの男性のタイプなどを聞かれた。その時私は、「優しくて、面白くて、煙草を吸わない人…」とか、ありきたりで無難なことを言った気がする。
その後、何度か食事に行った中で、彼から禁煙を始めたと聞き、禁煙から1か月くらいたった頃に交際を申し込まれた。
危険なストーカーについてはこちらもどうぞ
付き合いはじめてからの彼の様子
1.すごく優しい
すごく優しくて、私の欲求はなんでも叶えようとしてくれた。
たとえば、禁煙。週末色々な場所に遊びに連れて行ってくれた。2人で飲みに行った後は、必ず家の前まで送り届けてくれた。毎日電話やメールをして、好きだと言ってくれた。
この後色々もめることになるが、もめている時以外は、変わらずとても優しかった。
2.男性の連絡先をすべて消去
付き合って、しばらくした頃、携帯電話の電話帳に男性の連絡先が何件くらい入っているかを聞かれ、それを全部消去するように言われた。
男友達だけでなく、職場の上司や大学時代の恩師など、相手の立場や年齢など関係なく、男という性別のものは全部消してくれと。恋愛に発展するわけもない60代の70代の男性までも。
「どうして?あなた以外とは何もないよ」と言っても聞き入れてもらえず、「いやだ。ムリだよ」とまでは言えず、しぶしぶ電話帳データを消去した。
それからというもの、メールや電話の着信が入ると携帯電話を逐一チェックされ、男性からの着信が入ると着信拒否設定をさせられた。
ちなみに、そこまでさせるなら自分は女性のを消してくれるんだよね?と思い聞いてみたけど、「そもそも入っていない」の一点張りで携帯電話を見せてくれることはなかった。
3.男性と一切の接触禁止
次に言われたのが、男性との一切の接触禁止。
半径1メートル以内に男性に近づくこと、男性がいる飲み会、男性と目を合わせること、口をきくこと。プライベートだけでなく、職場でも禁止。
彼と同じ職場で同じチームだったため、仕事中も常に見張られており、男性社員に対して少しでも近づいたり、微笑んだりしたら、「何やってるの?今笑ったよね?なに色目使ってるの?昼休みに反省会ね」というようなメールが即座に届く…。
業務のことで男性社員にパソコンを使いながら説明をしなければいけないのに、近づくな、目を合わせるな、微笑むな…は無理に近い。
「目も見らずに無表情で話をするのは社会人としての信用にも欠けるし、はたから見てかなりおかしい。別に何か楽しいことを話してるわけでもなく、仕事の話をしているだけなんだから、そこは勘弁して」と言っても、許してもらえない。
「手を精一杯伸ばして距離を取り、目なんか見る必要ないし、ましてや笑う必要は全くない。そんなに男に自分を売りたいの?」と彼は言う。会社の昼休みは食事ものどに通らず、恐怖の時間となった。
4.門限21時
彼以外と出かける際は、門限を決められた。「21時」。
女友達と飲みに行く際も21時。19時から2時間のコースでお店に入る場合は、21時15分が門限。お店を出てから家までダッシュで帰ってギリギリの時間。
それ以上の時間延長は許してもらえず、友達にも不快な思いをさせてしまっていたと思う。
5.恐怖の電話
そんな束縛がはじまり、毎日の電話が苦痛になってきた。
好きだと言われるのもまったく嬉しくなくなったし、私も彼に毎回「好きだよ」と言わなければいけなかったのがすごく辛くなった。でも、言うまで電話を切らせてもらえない。
そして、うっかり携帯電話の電源が切れてしまっていたり、電話に出れないでいると、何度も何度も何度も着信が入る。1時間でも2時間でも、切れてはかけ、切れてはかけ…。かけなおすのが怖いくらいに。
6.発狂、土下座
ある日の会社の飲み会の後、彼が発狂して、泣き叫びながら土下座を求めてきた。
チームでの飲み会だったため、彼も一緒にいて、はじめは男性と接触しないように気をつけていたけど、それでもジーッと監視してきて「笑った、目を合わせた、色目を使った、近づきすぎ…」そんなメールを何度も送ってくる彼に、私は限界がきた。
「もう疲れた…いいや…」そう思って、男性社員にお酌をしたのが発端。飲み会が終わるまでの間、彼はジリジリイライラするような視線をずっと送ってきて、時には口パクで怒りを訴えてきていたが、私は気づかないふりをしていた。
そしてお店の外に出て、解散した後、私は怖くなってすぐにその場を去った。が、彼は私の後を追いかけてきて、行方を見失うと発狂して叫び出した。
「おい!こら!○○●●!!出てこい!」「そこにいるんだろ!○~○~●~●」私のフルネームをFULLボリュームで叫んでる。夜12時くらいに、住宅地で。
この時点で警察に電話をしていればよかったと、今では思うが、怖くて怖くて、フルネームを大声で言われる恥ずかしさもあり、彼の前に出て行ってしまった。
そして、その後2時間くらい、ビルの1階駐車場の薄暗い中で説教を受けた。
「なんで俺を傷つけるようなひどいことをするんだ。土下座して謝れ。2度としないと誓え」と、泣き叫びながら。
7.彼の仕事ぶり
常に私を監視しているため、仕事に遅れやミスが出はじめていた。お客様からの注文をスルーしてしまっていたこともあり、反省文を提出させられたこともあった。
しかし、彼は「仕事をたくさん押し付けた会社が悪い」「みんな死ね」「神社に行ってやつらに呪いをかけてきた」などの恨み言を言い、ミスしたことへの反省はまったくなかった。
そして毎日せっせと励むのは私への監視。
その後、精神的におかしくなって、しばらく休職することになった。
彼との別れ
1.別れを告げる⇒失敗⇒距離をとる
何度か限界が来て、その都度別れを切り出していたが、すべて却下された。
「どうしてそんなこと言うの?二度とそんなこと言わないで!いい?分かった?すごく愛してるんだから」と泣きつかれ、同じ職場ということもあって無理して別れることもできず、ズルズルと関係は続いた。
彼が休職しだしてからは、毎日仕事が終わった後に彼のアパートに通って食事を作っていたが、それはしばらくやめることにした。
「毎日恨み言を聞かされるのは気分が悪い。会社が嫌いならやめて転職すればいい。元気になって、転職先が決まるまで平日に来るのはやめる」と。
彼はやはり抵抗したが、休職していて距離ができたのもあり、私も強気で譲らなかった。
2.彼ママに会う⇒嫌われた
結婚したいとのことで、彼ママに会うことになった。そして、彼から彼ママとの面会について、事前アドバイスがあった。
「お母さんはすごく厳しい人だから、絶対に反抗しないで。おかしいと思っても絶対にその場で言わないで。言いたいことがあったらあとで俺が聞いて、後で俺からお母さんに伝えるから」と。
実際、会って話をしてみて、すぐに分かった。威圧的でプライドが高い、見栄っ張り、人を見下す…。そして、ここには書けないけれど、すごく失礼で偏見的なことを言われたから。
一方、彼ママは別れ際、「今度は2人でお茶をしましょう」「あなたとならうまくやっていけそうだわ」など言ってきて、どうやら私の第一印象は悪くなかったようだった。
けど、その後色々あって、私は嫌われた。
3.彼と連絡がとれなくなった
彼ママに嫌われた後、しばらくして彼から連絡がこなくなった。電話をしてみても出ないし、メールをしても返事が来ない。
きっと彼ママに「あの人とは別れなさい」とでも言われてたのだろう。
「卑怯だ」「マザコン男め!」なんて、すごく不快な思いをしたけど、ベストな別れ方だったと思う。
私の反省点
・最初に異常を感じた「電話帳から男性の連絡先を消去すること」をはっきりと拒否するべきだった。
・最初に拒否できていれば、「男性との接触禁止」「門限」「毎日の電話やメール」も断れていたかもしれなかったし、そもそも要求されなかったかもしれない。
・社内恋愛禁止だったため、誰にも相談できなかった。せめて友達には相談すべきだったが、こんな人と付き合ってしまった自分の落ち度が気になり、相談しきれなかった。
・実の母親には軽く相談したが、軽く話しすぎて「そういう人もいるのね~。愛されてるのね~」程度にしか受け止められなかった。証拠を集めて見せるなど、真剣にそうだんするべきだった。
・身の危険を感じた時でも、警察に相談することを躊躇してしまった。
・無理やり別れると刺されたり、家に火をつけられそうで、怖くて別れることができず、1年半くらい交際が続き、お互いに心神喪失となってしまった。
・彼ママに嫌われなければ、「結婚すれば嫉妬心が落ち着いて、変わってくれるだろう」と、危なく結婚してしまうところだった。
・男友達、女友達、恩師、時間、自分らしさ…たくさんのものを失うことになってしまった。
別れるうえで良かった点
・徐々に距離をとること(彼の休職⇒会う頻度を減らす)
・無理なものは無理、嫌なものは嫌だとはっきり言うこと(愚痴ばかり聞かされたくない、次の仕事を決めるまで会わない)
・彼ママが私を嫌ってくれたこと(彼ママにも気を遣って好かれていたら…と想像すると恐怖でしかない)
・彼が彼ママの言いなりだったこと(おそらく幼少期から言うことをきくように厳しく育てられてたのだろう、マザコン万歳)
さいごに
今はこうして、モラハラ・ストーカー男だったとして認識していますが、交際している当時は、彼に対して「なんで?」と思うことはあっても「異常だ、おかしい」という考えにはなかなか至りませんでした。
おそらく、優しさと恐怖の使い分けで洗脳されていたのだと思います。当事者になってしまうとなかなか気づけないもののようですね。
以前、友達が彼氏にひどい扱いを受けており、「別れた方がよくない?」と助言したことがあったのですが、「なんでそんなこと言うの?もしかして別れさせて自分が彼と付き合おうと思ってるの?」と言われたことがありました。
その時は友達の言葉にすごく傷ついて、もう何があっても助けてあげない…と思ったのですが、その友達も当事者で正常な判断能力が欠けてしまっていたのかもしれません。
もし、自分も彼氏や旦那さんに同じようなことをされている、ということであれば、それはモラハラやストーカーかもしれません。実際の暴力があれば、DVです。
「洗脳される」「正常な判断能力がなくなる」ということを念頭に、真剣に自分の状況を見つめなおしてみてください。そして、一番は誰かに相談をしてみることです。
あなたにとって大切な人、良きパートナーは他にきっといます。一人になることを恐れないでください。
※結婚後の「モラハラ」についての記事はこちらにまとめています。
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